さて実際のところ、社会化すると、犬はどんな状態になるのでしょうか?
まずざっくり説明してしまうと
社会化:鈍感になる(鈍化)
↕
非社会化:敏感になる(鋭敏化)
という状態になると説明できます。
例をあげて説明すると、まずは物として
色々な人
色々な犬
様々な環境
様々な音(ex.花火・雷)
バイク
車
自転車
掃除機
ドライヤー
これらは、みな刺激です。
また、起こりうる事象として
抱っこされる
リード・首輪をつけられる
散歩中に起こること
動物病院に行く
トリミングに行く
爪切り
ストレスのかかる場所へ行く
これらも、刺激となります。
こういった、生活の中で起こりうる様々な刺激に対して
平常心を保てるようにすることを、社会化されたと表現できると思います。
人間の場合も、よく言いますよね!?
『あの人は、キャパが大きいから(だから、いつもドーンとゆったり構えてるよね)』
みたいな感じですね。
『おまえ、キャパちっせーーなーーー』とかね。
キャパとはなにか。
精神的閾値のことを指します。
刺激が刺激となるには、それに対して、慣れているか慣れていないか、つまり、未知のものなのか、嫌いなものなのか、怖いものなのか、が大きく関わってきます。
慣れていて脅威ではないと知っているものに対しては、いちいち敏感に反応しません。
毎日、太陽が東の水平線からあがってきたからといって、大騒ぎして『太陽が上がってきたーやったー』と大喜びする人は、少ないと思います(居るかもしれませんが…)
太陽が上がることは、もう充分わかっている事です。
静かに今日もお天道様がぬくもりを届けてくれるのを、心の中で感謝します。
このように、分かっていることに対して、反応が乏しい。
つまり、ある種、淡々としている。
これを、精神的に閾値が大きいと言います。
この場合は、刺激が来ても、反応しません。
逆に、精神的に閾値が小さいと、刺激が来たら、必要以上に反応してしまいます。
お散歩中、向こうから、知らない犬がやって来た…!
途端にワンワン、ガウガウ!
これは、とても敏感な状態です。
でも、これは社会化不足のために、その刺激に対して、どのように振舞えばよいのかわからない自信不足から来ている行動であって、その犬が馬鹿なわけでも何でもありません。
その子にとっては、刺激に対して素直な反応をしている。ただそれだけの事です。
しかし、この刺激に対する反応は、子犬時代(パピー時代)に、多くの刺激に対して、良い体験を積み重ねてあげる事で【これらの刺激は怖い事ではない】と犬に学習してもらうことが出来ます。パピー時代に良い体験を積み重ねることで、その犬の一生に関わる社会化がなされると言われています。(これについては、また次のブログで詳細について書きますね)
成犬になった場合でも、時間をかけて、それらの苦手な刺激に対して、少しずつ慣らしていくことによって、修正することも十分可能だと思います。諦めずに、苦手なものに対して【これって、そんなに、怖くないんだ!】と犬に感じてもらえるようなトレーニングを、積み重ねてみて欲しいです。
まとめると、社会化とは…鈍感になること です。
そういってしまうと、なんだか格好悪いことのように聞こえますが、このストレスの多い世界で生きていくには、もしかしたら、人間も多少、鈍感になった方が生きやすいのかもしれませんね(;^_^A
次回は、パピー(子犬)の社会化がいかに重要な事なのかについて、書きたいと思います。
Comments